今回は、古語「あぢきなし」の正しい意味を解説します。
「あぢきなし」の原義
古語の「あぢきなし」は、現代語の「あじけない」の元となる形容詞です。現代語の「あじけない」は、「つまらない」という意味ですが。古語「あぢけなし」は、意味が違います。
「あぢきなし」の原義は、「無力感」「不満」です。自分の力ではどうしようもなく、またそれに不満を感じていることを表します。そこからいくつかの意味が派生的に生じました。
古語「あぢきなし」の意味は、主に3つ
古語「あぢきなし」の意味は、主に3つです。現代語の「あじけない」と意味が少し違う部分もあるので気を付けましょう。
①「思うようにならない」
古語の「あぢきなし」で一番よく出てくるのが、「思うようにならない」という意味です。「あぢきなきもの」と言えば「思うようにならないこと」です。その人にとって自分の意志ではどうしても動かすことができない様を表します。
ちなみに『枕草子』では、「あぢきなきもの」として「養子に迎えた子供の憎らしい顔」を挙げています。
②「役に立たない」
「あぢきなし」の二つ目の意味は、「役に立たない」という意味です。役に立たず無駄な様子、またそれに不満を感じることを表します。
③「つらまらい」
これは、現代語とほぼ意味は同じです。「味気ない」などの当て字を使うこともありますが、面白くないことを表します。場合によっては「無味乾燥だ」といった訳があてられることもあります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?古語「あぢきなし」は、主に以下三つの意味を持ちます。
・「思うようにならない」
・「役に立たない」
・「つまらない」
現代語の「あじけない」は、「つまらない」という意味です。古語との違いにも注意しましょう。