名古屋港線が廃止へ、理由は名古屋市長の要請!?【名古屋港線の歴史を振り返る】

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2023年9月、2024年3月末をもって東海道本線の貨物支線、通称「名古屋港線(なごやみなとせん)」が廃止されることが発表されました。名古屋港線は現在、山王信号場で中央本線から南へ分岐し、途中の八幡信号場を経て名古屋港駅へと至ります。なぜこの路線は廃止となるのでしょうか?理由となったJR東海の事情や背景にある名古屋市長の要請、さらに名古屋港線の歴史・荷主の変遷・廃駅となった白鳥駅・堀川口駅なども深堀して解説していきます。

近年の名古屋港線の動向

▲自走可能なキヤ97を牽引するDE10形式ディーゼル機関車

名古屋港線は2000年代初頭まで日産化学工業向けに硝酸や濃硫酸が到着していましたが、これが廃止となった後は名古屋港〜名古屋の火・木・土の週3往復運転のレール輸送のみとなりました。

このレール輸送はJR東海向けで、日本製鉄八幡製鉄所あるいはJFEスチール西日本製鉄所で製造された定尺レールを名古屋港で水揚げし、名古屋港駅から鉄道で各駅へと輸送するというものです。しばらくはチキ5500形式貨車などが使用されていましたが、2008年頃にJR東海が合理化を図るため自走可能なレール輸送用気動車「キヤ97」を導入したため名古屋港線にもキヤ97が入線し始めました。もともとJR東海がキヤ97を導入したのは、同社が保有する機関車を全廃することが目的でした。しかし、名古屋港線では機関車が自走可能なキヤ97を引っ張るという意味不明な輸送形態となっています。これは名古屋港線がJR東海ではなくJR貨物が保有する貨物線であり第二種鉄道免許を保有していない路線であるため、法律上キヤ97が路線内を自走できないことが理由です。

この奇妙な輸送はしばらくDE10形式機関車によって続けられます。火・木・土の週3往復という輸送形態も15年以上変化がなく、名古屋港線は細々と貨物輸送が残り続けます。DE10形式機関車が老朽化したため2020年からDD200形式機関車が入線し始めますが、時刻表上は現在もDE10形式所定のままです。

名古屋港線廃止の背景に名古屋市長の意向!?

monobe

東海地方生まれ。国公立大学理系出身。鉄道や歴史に興味があり、日頃から書籍などを多く調べています。
一眼レフは10年以上使用しています。株式投資も長く続けています。

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