「湘南」の由来は何?いつから使われている?

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神奈川県の湘南(しょうなん)という地名はいつから使われていたのでしょうか?この記事では「湘南」の由来・語源と定義を解説します。

「湘南」の地名は平安時代から?

「湘南」という地名が、日本の文献に最初に現れるのは実は平安時代に書かれた『倭名類聚抄(わみょうるいじゅしょう)』という文献です。ただし、この時代の「湘南」とは中国の地名のことを指していたようで、現在の神奈川県の海岸部のことはまだ「湘南」と呼んではいないと考えられます。

では、現在のような神奈川県の地域のことを「湘南」と呼ぶようになったのはいつからなのでしょうか?その答えは、おそらく室町時代です。

1484年(文明16年)に書かれた『梅花無尽蔵』という文献の中に「遊湘南五年」(現代語に訳すと「湘南で修行すること五年」)という一節があるのが、おそらく現代に通じる「湘南」という地名が使われた最初の例だと思われます。この文献では鎌倉のことを「湘南」と指しているようです。

「湘南」の由来は?

湘南という地名は諸説ありますが、一般的には模国(さがみのくに)の部という意味で「相南」と呼んでいたのが、中国の地名の影響を受けて変化したものと言われています。相模国というのは現在の神奈川県から静岡県東部にかけて存在した行政区分です。「相」の字を「湘」と書くようになったのは、中国の「湘江」という河川名が影響を受けていると言われています。「湘江」の南部は風光明媚な地域と知られており「湘南」と呼ばれていたことから、日本の「相南」にも「湘南」という字をあてた可能性が指摘されています。

「湘南」発祥の地は大磯?

実は、神奈川県中郡大磯町が湘南発祥の地と言われています。その理由は、大磯町には「湘南」という文字が刻まれた石碑があるからです。しかしこの石碑は江戸時代に作られたもので、前述の通り「湘南」という地名が室町時代に鎌倉のことを指していたことを考えると、大磯を「湘南発祥の地」とするのは少し疑念が残るかもしれません。少なくとも江戸時代には大磯のあたりが「湘南」と呼ばれていたとわかる最古の石碑が出たという点では大きな意味を持つでしょう。

どこからどこまでが「湘南」なのか?

現在「湘南」という行政区分は存在しないため、「湘南」という地名がどこを指すのかかなり曖昧になっています。一般的には、平塚・藤沢・茅ケ崎・秦野・伊勢原・寒川・大磯・二宮の辺りとされています。しかし、前述のように文献上最初に現れる「湘南」は鎌倉のことを指しており、時代によってもかなり違いが見られます。もともとは「相模国の南部」で「相南」と呼んでいたのですから、神奈川県の南部はすべて「湘南」と言ってもあながち間違いではないのかもしれません。

monobe

東海地方生まれ。国公立大学理系出身。鉄道や歴史に興味があり、日頃から書籍などを多く調べています。
一眼レフは10年以上使用しています。株式投資も長く続けています。

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